天才
下北沢に根を下ろし14年が経ちました。
そうすると自然に演劇に触れる機会が自然と増え、
モハヤ評論家としても食って行けるくらい見倒しました。
その中でも、「限りなくぶっちぎりに近い断トツ」に
出会ってしまいました。 その名も 「松尾スズキ」
ついに、「天才、奇才、万々歳」に出会ってしまいました。
言葉選びは「野田秀樹」を超え、
顔芸は「コロッケ」を寄せ付けず、
コミカルな動きは「竹中直人」を彷彿しており、
どれもこれもが「NO1」に躍り出ました。
50歳を迎える松尾さんを見て、
50歳になるのを恐れていた私にとって、
目標となる人間がまた一人増え、
佐々木の「超えられない男」リストにまた一人、名を刻まれました。
2012年、一番笑い続けた二時間でした。幸せでした。
20分後、帰宅し、この興奮を、うっかりと妻に伝えてしまうと、
「いい御身分ですこと、羨ましいですわ.....、お風呂どうぞ、御主人様」
と、機械の様な口調で目も見ず応えてくれた。
かたや、薄暗いリビングで、眉間にシワを寄せ、帳簿をつけている妻とは、
分かり合える筈もありませんでした。 いや、これが現実なのだ。
芝居を見た後は、どうも自分が高尚な人間になった気がしてしまう。
本当はヒートテックを上下着て、焼酎を飲むのが現実なのだ。
「生きちゃって どうすんだ」
笑いに笑ったのに、未だタイトルの意味がわからない.........。
たぶん、かなり奥が深い様な気がする。
50歳までに意味が分かる様に、日々自分を磨き、妻を磨こう。
「寝せないよ」
そう誓った年の瀬の夜でした。
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