北海道ツアー3
試合は、いよいよ後半戦へ突入した。
ガソリンを補給し、手の震えが治まり、調子を取り戻した糸井。
しかし、バーディが中々こない。
鼻毛の出たキャディと、フェアウェイを歩きながらヒソヒソ。
グリーン上でもヒソヒソと話し続けるポックル。
陰で、ネタミ、ヒガミのオンパレード糸井。
たしか「この、くそバァバァ」と言ってた気がする。
たぶん1回は聞こえてしまったはずだ........。
言葉少なげな性欲の強い中学生。
相も変わらず淡々とプレーを続ける。
が、大してうまくもない。
僕はと言うと、みんなのご機嫌取りに忙しい。
ところが、勝負と言うのは実に面白い。
徐々に「チームブリキング」がスコアを落とし始める。
中学生に関しては、クセの1つである過少申告をし始めた。
最大11打も差があったのが、残り1ホールを残して2打差まで縮まった。
あせる「チームブリキング」
追う「チーム佐々木」
18番ホール、ドラマに期待したが結局1打及ばずゲームセット。
あっけない幕切れだった..........。
勝って無理にハシャグチーム、
負けても落ち込む事の無いチーム、
辺りは、酷いしらけムードに包まれていた。
スパイクを「シュー」して高級レストランへと向かった。
勝者「チームまだ中学性」には、レストラン側からも特別な配慮があった。
「ジンギスカン定食」を頼んだポックル君には、
ビニール袋の破片を入れてくれ、彼を困らせていた。
中学性の頼んだ「板わさ」は、
「どんべい」のかまぼこと思われる位のペラペラが5切れ。
そして、パサパサのキュウリ。
それでも彼はおいしそうに食べていた。
それでも、今までの負けを取り戻そうと必死に、
「ジョッキおかわり!」を連発する中学性。
聞き慣れない「ジョッキ」という響きが焼けに耳に残ってる。
控えめに「白ごはん」をおかわりするポックル君。
「ビニール袋事件」を店員に言おうか悩んでいた。
何も喋らない「チーム佐々木」。
沈黙時間の多いテーブルだった。
黙々と食べて、飲み続ける「勝利者チーム」。
そんなに楽しそうでは無い。
もっと楽しくしようと、僕も色々と考えたが言葉が思い浮かばない。
眠くてしょうがない。
3人には申し訳ないが盛り上げる事が出来なかった。
たった1打差が、こうもテンションを変えてしまうのかと思う。
勝ち慣れてないチームの雰囲気。
負け慣れてないチームの雰囲気。
「来年は大丈夫」
気合いを入れ直してレストランをあとにした。
また1年、しっかり練習しようと思う。
彼等に少しでも近づきたい........... 。
そして、楽しい宴にしたいと思う。
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