いずこへ.......。
日付が変わろうとする夜更けに、
奴が僕の視界に入り込んできた。
TVをぼんやりと、虚ろな眼差しで見ていると、
奴は僕の右目から入り込んできた。
アルコールを摂取しているにもかかわらず、
僕の体は機敏に反応した。
奴は僕の存在を確認したらしく、完全にフリーズをきめた。
僕も久しぶりの対面に、汗が噴き出してきた。
睨み合う事20分。
先に動いたのは奴だった。
相変わらずの素早い動き。
人間の大きさだったら新幹線より速いらしい。
想像しただけで恐ろしい地獄絵図だ。
次の瞬間!
広いスペースに奴が移動したところを思いっきり新聞で叩いた。
逃げられた!
2発目を即入れる!
メガネが飛んだ!
視界不良!
ぼんやりとした黒い塊が視界から消えていった。
完敗!
汗が止まらない。
部屋のあちこちのガラクタを刺激するも奴は出ず。
眠れない夜を過ごした。
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