運動会
悪い予感が的中してしまった。
家族が恐れてた事が現実となってしまった。
運動会のリレー選手に、長男落選、次男ギリギリ当選。
そして、当然の如くその夜から、次男の選手自慢が始まった。
「お父さん、オレね、よゆうでリレーのせんしゅにえらばれた!」
「しゅうはね、よゆうのびりっけつ」
3人でお風呂に入ると、彼の毒舌は長い。
「おとうさん、さてもんだいです。この中にひとりだけデブがいます、
だれだとおもいますか?」 答える間もなく、
「せいかいは、そこでしらんぷりしてシャンプーしてる人でした」
長男はと言うと、本当に何も聞こえないらしく、モクモクと洗ってる。
「つづいてのもんだいです。その人は足ははやいでしょうか?」
答える間もなく、
「ざんねんながら、その人はおそいです。とうぜん、リレーには出れません」
「オレは、あおぐみの3んばんめ、バトンをおとさないようにれんしゅうちゅう」
「そのころ、しゅうは、ともだちとおにごっこ」
「あしたも、れんしゅう、きっついな〜」
長男は完全にシカとを決め、さっさと出て行く。
「おとうさん、しゅうは1年生のとき、リレーのせんしゅだった?」
「3年生まではずっと選手だったよ、けっこう速かったよ」
「おれよりも?」
「リョウよりも、かなり速かったよ」
「ぜったい、うそにきまってるっ、おれのほうがはやい」
彼の長男への対抗意識は計り知れない。早くも涙ぐんでる。
「無事に運動会が終わります様に」
< | | ホーム | | > |