桜の木の下で.......
先日、家族を駒場公園に誘うも全員に「やんわり」と断られ、
一人寂しくもないが、ビールとかっぱえびせんを片手に
寂しくもないが「一人花見」をしてきた。
ベンチに腰をおろすと、そこは見渡す限りの緑とピンクとブルーが
一面に広がっており、一人で来た事にも少々満足していた。
隣にはipadを片手にポーカーゲームを楽しむおじいさん。
ナナメ前には、女子大生二人組が二本目のワインに突入。
その向こう側には、知り合いと思われる家族が「幸せ縮図」を描いていた。
僕はと言えば見つからない様に、俯きかげんでビールのラベルを見つめ続ける。
寂しくはあるものの、なんとなく幸せな気分に浸る。
思い起こすと、去年の今頃は静かだったこの公園も
すっかりと賑やかさを取り戻しており、改めて幸せな気分になる。
するとそこへ幼稚園児と思しき女の子6〜7人組が「はないちもんめ」を開始。
15分程優しい空気に包まれてたのに、
事件は起きてしまった。
リーダーと思われる「えりちゃん」が、「あきたから、もうやめたい」
「だってね〜、わたしね〜この中にきらいな子が二人いるの〜だからもうやめよ〜」
突然の「えりちゃん」問題発言に皆チンモク。コンワク。
緊張がはしる。駆け巡る。
NO2と思われる「ゆいちゃん」が勇気を出して質問する。
「そのこは何色の服を着てるの?」
僕は固唾を飲んだ。おじいさんも顔をあげる。女子大生もヒソヒソ。
「答えないでくれ」 僕らはそう思っていた、と思う。
願いは虚しく、「え〜とね〜、 ひとりはね〜ムズカしい色の服〜」
なんとなく皆わかってしまった。
ムズカしい色の服を着た女の子が俯いてしまう。
胸が締め付けられる。
すると、「ゆいちゃん」が
「わたし、わたしね、なんかね〜、かなしい気持ちになってきた」
すると、みんなも「わたしも〜、わたしも〜、わたしも〜、」
「僕も〜、おじいさんも〜、女子大生も〜」
僕は必死に涙を堪えていた。
身の危険を感じたリーダーの「えりちゃん」は、
「そのこはね〜 ほんとはね〜、 ここにはいませーん」
「あ〜よかった!」と、ゆいちゃんが喜ぶ。
「わたしも〜」、「あ〜よかった!」、「あ〜ほんとによかった〜」
みんながジャンプしながら大喜びする。
ムズカしい色の服の子もジャンプしてる。
僕も、おじいさんも、女子大生も、ジャンプしたい。
何事も無かった様に胸をなでおろし、またそれぞれの世界に入る。
こんな幸せ色の中でも、桜の木の下でも、
子供達の残酷ドラマは毎日繰り広げられてるはず。
みんな、強くなれよ。
一人じゃないよ。
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